福島発電株式会社

取り組み
contents
  • 再エネ発電事業
  • 普及・啓発・人材育成事業
  • 関連団体との連携した取り組み
  • 事業報告
  • 新たな事業開発への取り組み
  • 福発チャレンジ


第5期 事業報告書

自 平成28年10月1日  至 平成29年9月30日

1 事業活動の概要に関する事項

(1)事業概要

 当期は、「先導的な再生可能エネルギーによる地域経済社会への貢献」を経営理念とする中期経営計画の2年目に入りました。

 太陽光発電事業については、「福島空港メガソーラー発電所」(1,194kW)、「大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所」(1,890kW)が着実に発電を行うとともに、斜面ソーラーのモデルである楢葉町総合グラウンド発電所(40kW)及びいわき明星大学発電所(50kW)についても順調に運営いたしました。

 これらの太陽光発電所における点検・保守管理については、東北電気保安協会への委託に加え、遠隔モニタリングシステムによる常時監視、日常的な巡視点検、除草活動等を行うことで、異常の早期発見に努め迅速に対応いたしました。

 地元自治体や企業と連携して出資した「富岡復興メガソーラー・SAKURA発電所」(19,800㎾)、「大熊エネルギーメガソーラー発電所」(8,580㎾)は、平成29年10月以降の竣工を目指して取組みました。
平成29年4月には、浜通り事務所を富岡町へ移転し、浜通り地域の発電所管理を担う体制の強化を図りました。

 さらに、伊達郡国見町の福島県県北浄化センター内に「県北メガソーラー発電所」(1,500㎾)を建設するため、平成30年春の完成を目指して準備を進めるとともに、楢葉町に立地した太陽光パネル製造工場に近接するため池に、水上フロート太陽光発電所(50kW)を設置する準備を進めました。

 次に、阿武隈風力発電事業の計画については、平成29年4月に福島県から本事業者として選定を受け、参加する企業や関係自治体と連携しつつ、風況調査や環境影響評価等、事業の実現に向けた業務に精力的に取り組みました。

 次に、平成29年4月にスマートコミュニティ導入促進事業のマスタープラン作成の採択を受けた「葛尾村スマートコミュニティ事業」について、エネルギー事業者として参画し、送配電インフラや事業性等の検討に取り組んできました。

 次に、普及啓発・人材育成については、福島空港メガソーラーへの視察・見学者の対応に加え、大熊町ふるさと再興メガソーラーにおいても復興ツアーの受入れを行いました。  視察見学者は、児童・生徒から高齢者まで幅広い年代にわたるとともに、大学や企業の研究・技術者、内外メディア等も来場しました。

 これらの機会をとらえ、太陽光発電所の運営や福島県の再生可能エネルギー施策等の紹介を行い、普及・広報に努めました。
また、産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所と連携した太陽光発電所の保守管理技術に関するセミナーや、実践的な太陽光発電人材育成セミナーの開催を通じ、人材育成に努めました。

 次に、福島新エネ社会構想の一つの柱である阿武隈・浜通り沿岸地域の共用送電網整備を行うため、電気事業者と連携して設立した送電準備合同会社を平成29年3月に東邦銀行の参加を得て「福島送電合同会社」に改組し、共用送電線に連系する再エネ事業者と協力を図りながら、工事入札・契約等を進めました。

 さらに、産学官の連携を図り県民と一体となって再生可能エネルギーの更なる導入拡大を目指すため、「一般社団法人 福島県再生可能エネルギー推進センター」(平成29年2月設立)に参画し、地域に根ざした事業展開を支援することとしました。

 当社は、福島県における再生可能エネルギーを牽引する企業として、引き続き健全な経営を進めながら、自然と人の力を活かした様々な事業にチャレンジしてまいります。

(2)発電事業の実施状況

①福島空港メガソーラー発電所
 ソーラーパーク  194kW
 北発電所     500kW
 南発電所     500kW
 合計設備容量 1,194kW

発電・売電実績

(金額は税抜き)

年月 今期 前期
発電量(kWh) 売電金額(円) 発電量(kWh) 売電金額(円)
平成28年
10月
72,682 2,616,550 87,209 3,139,523
11月 101,637 3,658,932 95,237 3,428,531
12月 81,752 2,943,070 63,587 2,289,130
平成29年
1月
75,388 2,713,967 99,760 3,591,360
2月 100,579 3,620,843 88,947 3,202,089
3月 131,016 4,716,574 113,051 4,069,834
4月 125,355 4,512,779 152,137 5,476,932
5月 183,312 6,599,232 161,084 5,799,024
6月 144,886 5,215,894 161,890 5,828,040
7月 150,148 5,405,325 123,784 4,456,224
8月 114,424 4,119,263 160,237 5,768,530
9月 161,990 5,831,646 129,428 4,659,406
合計 1,443,169 51,954,075 1,436,351 51,708,623

※売電単価(税抜き):36円

 

②大熊町ふるさと再興メガソーラー発電所
設備容量 1,890kW

発電・売電実績

(金額は税抜き)

年月 今期 前期
発電量(kWh) 売電金額(円) 発電量(kWh) 売電金額(円)
平成28年
10月
44,890  1,436,480
11月  191,030  6,112,959
12月  147,910  4,733,119
平成29年
1月

161,790

5,177,280  100,570
(27.12.18~28.1.7)
 3,218,240
2月 175,450 5,614,400  154,060  4,929,919
3月 224,860 7,195,519  220,570  7,058,240
4月 228,430 7,309,759  233,800  7,481,600
5月 311,760 9,976,319  296,520 9,488,640
6月 252,430 8,077,759  299,940  9,598,080
7月 253,730 8,119,359  195,340  6,250,880
8月 229,130 7,332,159  237,940  7,614,080
9月 315,990 10,111,680  342,840  10,970,880
合計 2,537,400 81,196,792  2,081,580  66,610,559

※売電単価(税抜き):32円

 

③楢葉町総合グラウンド・斜面ソーラー発電所
 ア 設備容量 40kW
 イ 発電・売電実績
   平成28年10月~平成29年9月末日
   発電量          60,795kWh
   売電金額(税抜き)    2,188,626円

 

④いわき明星大学・斜面ソーラー発電所(福島県等との共同事業)
 ア 設備容量 50kW
 イ 発電・売電実績
   平成28年10月~平日29年9月末日
   発電量          64,152kWh
   売電金額(税抜き)    1,732,096円

 

(3)発電事業の計画推進状況

① 富岡復興メガソーラー・SAKURA発電所建設事業
 平成27年7月に当社が代表社員として、「富岡復興エナジー合同会社」を設立し、富岡町及びJR東日本エネルギー開発㈱と連携して開発を進めてきた。その後、平成28年3月に当社が100万円の出資を行っている「一般社団法人富岡新エネルギー」へ合同会社の持ち分を譲渡し、同合同会社との出資関係を解消している。
 なお、平成28年4月に、同合同会社に3,000万円の匿名組合出資を行った。
 また、同合同会社から完成後の発電所の環境整備を受託する予定となっており、それに対応するため当社浜通り事務所を平成29年4月に広野町から富岡町に移転させ、事前準備を進めている。
  ア 建設地  富岡町大字上手岡字大石原、下千里地内(田畑等)約40ha
  イ 設備容量 19,800kW(PCS)、約30,000kW(パネル)
  ウ 系統連系 東京電力に連系(新福島変電所)
         (固定価格買取制度により全量売電:32円/ kWh(税抜))
  エ 着工   平成28年7月27日(起工式)
  オ 完成   平成29年12月1日(竣工式)
  カ 事業費  約90億円

② 阿武隈風力発電計画について
 平成27年11月に当社を含む4社が株主となって「福島復興風力株式会社」を設立し、阿武隈地域への風力発電施設計画の準備を進めている。
 なお、当社は株主として3度の出資を行っているが、3度目の平成28年11月22日付けの募集株式の引き受けにより、計125株(購入金額3,000万円)の株式を保有して現在に至っている。
 【福島復興風力株式会社の概要(平成29年9月30日現在)】
  所在地    東京都港区赤坂二丁目9番3号
  代表取締役  鈴木 精一
  設立年月日  平成27年11月11日
  資本金    8億9,600万円
  株 主    (株)ジャパンウィンドエンジニアリング、(株)レノバ、くろしお風力発電(株)、福島発電(株)、
         JR東日本エネルギー開発(株)、(一財)ふくしま未来研究会、信夫山福島電力(株)、
         清水建設(株)、住友商事(株)、(株)日立製作所、(株)大林組
 【発電事業の概要】
  ア 予定地  葛尾村、浪江町、大熊町、田村市及び川内村の5市町村にまたがる地域
  イ 発電出力 約150,000kW(約2,500kW×60基)
  ウ 着工予定 平成31年4月
  エ 運転期間 平成33年3月~平成53年3月(20年間)
  オ 総事業費 510億円

 同社は、平成28年6月に福島県が実施した阿武隈地域風力発電仮事業者選定公募へ申請を行い、7月に仮事業者として、さらに平成29年4月に本事業者としての選定を受けた。
 また、環境アセスメント準備書については、平成29年6月に関係5市町村及び同住民の避難地域において公告縦覧と9回にわたる住民説明会を実施した。
 なお、今後の運営を見据え組織の株式会社から合同会社への見直しを進めている。

③ 大熊エネルギーメガソーラー発電所建設事業
 平成28年2月に締結した大熊エネルギー合同会社の社員間協定に基づき、当社は100万円を出資し、㈱NTTファシリティーズ、北芝電機㈱及び大熊町と連携して取組みを進めてきた。
  ア 事業者  大熊エネルギー合同会社
    資本金  1,500万円
    出資者  ㈱NTTファシリティーズ、北芝電機㈱、大熊町、福島発電㈱
  イ 建設地  大熊町大字大川原字西平地内
  ウ 設備容量 8,580kW(PCS)、約11,700kW(パネル)
  エ 着工   平成28年6月
  オ 売電開始 平成29年10月1日

④ 県北メガソーラー発電所建設事業
 福島県土木部が所管している県北浄化センターの県有地の有効活用と、当社の太陽光発電のFIT価格が下がる環境にあっても一定の事業性が見込める事業の実証を行うとの考えが合致したことから本事業を計画し、建設に向けた準備を進めている。
 【施設整備の概要】
  ア 建設地  伊達郡国見町大字徳江字下川原 県北浄化センター内
  イ 設備容量 1,500kW(PCS)、1,933kW(パネル)
  ウ 系統連系 東北電力に連系
         (固定価格買取制度により全量売電:21円/ kWh(税抜))
  エ 着工   平成29年11月25日(安全祈願祭)
  オ 完成   平成30年3月(予定)
  カ 事業費  約3億5千万円(税込み)

⑤ 楢葉町下繁岡ため池水上太陽光発電所建設事業
 楢葉町下繁岡地内のため池に50kW未満の水上フロート太陽光パネルを設置し、同規模の地上設置型太陽光パネルと比較して、発電効率やメンテナンスのあり方、経済性(事業可能性)等の評価、実証を行うとともに、隣接するモジュールメーカーと連携して、発電事業関係者、県民及び子ども達への普及啓発拠点とすることを目的に事業に取り組んでいる。
 平成29年5月に福島県再エネ導入支援事業補助金の申請を福島県に行い7月に交付決定を受け、また、地元楢葉町と地域貢献事業、ため池使用料等についての協定書を締結し、現在は建設に向けた準備を進めている。
 【施設整備の概要】
  ア 建設地   双葉郡楢葉町下繁岡地内
  イ 設備容量  50kW
  エ 着工    平成29年12月
  オ 完成    平成30年3月(予定)
  カ 事業費   約2千万円(税込み)

(4)普及・啓発・人材育成事業の実施状況

①福島空港メガソーラー・ソーラーパーク視察・見学事業
 平成28年10月1日~平成29年9月30日
 合計33団体  881人 (前期 44団体 862人)
 以下は内訳
  ア 一般視察・見学者
    20団体   499人 (前期 28団体 378人)
  イ 小中高校の生徒・児童見学者
    13団体   382人 (前期 16団体 484人)

②大熊ふるさと再興メガソーラー視察・見学事業
 平成28年10月1日~平成29年9月30日
 合計7団体  48人 (前期 4団体 30人)

 

③産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所と連携した共同事業
 福島空港ソーラーパークに設置している30種類の太陽光パネルに関する経年劣化 等の評価を行うとともに、メンテナンス手法に関する共同研究・セミナー等を実施した。
  ア 平成28共催ワークショップ『太陽光発電システムの保守・運用ノウハウと関連技術』
    日時 第1回 平成28年11月4日 13:30~16:30
       第2回 平成29年2月24日 14:30~17:00
    場所 第1回 福島再生可能エネルギー研究所
       第2回 いわき産業創造館
    概要 太陽光発電所の不具合を発見するためのモニタリング、機器選定等の情報を提供。
       また、太陽光発電所のスマートな運用に係わる情報を紹介。

④各種セミナー等の開催
  ア 太陽光発電設備保守点検講座
    日時 いわき会場  平成28年10月18日及び19日
       福島空港会場 平成28年10月25日及び26日
    場所 いわき市中央台公民館及び福島空港ビル
    概要 県内の保守点検・メンテナンス事業者等を対象に、太陽光発電所の保守点検や環境整備に
       必要な技術を学ぶことを目的に開催。

(5) 関係団体との連携した取り組み

① 一般社団法人福島県再生可能エネルギー推進センターへの参画について
 福島県では、地域に根ざした再生可能エネルギーの推進をより強化していくことを目的に、「一般社団法人福島県再生可能エネルギー推進センター」を設立したが、この趣旨は当社の目的と合致することから、当社は福島県からの呼びかけに応じこの法人の設立時社員となり、運営に参画している。
 【法人の概要】
  ア 法人名 一般社団法人福島県再生可能エネルギー推進センター
  イ 設立年月日 平成29年2月22日
  ウ 事務所所在地 福島市中町5番21号 福島県消防会館3階
  エ 目的及び事業
   ・再生可能エネルギー導入の周知・啓発、人材育成、事業化支援
   ・省エネルギー、水素利用などエネルギーの効率的な利用の推進
   ・再生可能エネルギーの導入・省エネルギー推進に関する相談
   ・再生可能エネルギー事業の調査、開発
   ・再生可能エネルギー設備の適切な維持管理の推進
   ・再生可能エネルギー事業収入を活用した福島県の復興・創生の支援
  オ 社員  3名(小沢福島大学副学長、服部県再エネ関連産業推進研究会会長、当社)
  カ 役員  1名(理事 鈴木精一)

② 「福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会」への参加
 福島県商工労働部産業創出課が主管する上記研究会に参加し、研究会及び太陽光・バイオマス・風力等の各分科会に参加した。

③ 「いわきバッテリーバレー構想」への参加
 一般社団法人いわきバッテリーバレー推進機構が取り組む事業へ参加。

(6)被災地の復興支援の取り組み

 福島県復興支援員設置要領(福島県再エネ復興支援員設置事業)に基づき、復興支援員を平成12月から雇用し、東日本大震災からの復興に向けて、被災地の住民や避難者がふるさとへの愛着を再認識し、住民が主体となった地域コミュニティの再構築活動を促進するため、様々な事業に取り組んでいる。
○復興支援員の雇用状況
 平成27年12月~平成28年1月  2名体制
 平成28年 2月~平成28年3月  3名体制
 平成28年 4月~         4名体制

(7)新たな事業開発への取り組み

① 福島送電合同会社の取り組み
 福島新エネ社会構想の一つの柱である阿武隈・双葉地域の送電網整備のための調査及び準備を行うため、当社が510万円、東京電力ホールディングス株式会社が490万円、合計1,000万円を出資し、平成28年10月3日に福島送電準備合同会社を設立した。
 その後、福島送電準備合同会社が行った調査の結果、送電線等の整備を行うための収支の検証がなされたことから、平成29年3月15日、(株)東邦銀行から300万円の出資を受け入れるとともに、合同会社の商号を「福島送電合同会社」に変更し、現在は、送電線・変電所の建設に向けた業務を進めている。
 【福島送電合同会社の概要】
  ア 所在地   福島市中町5番21号
  イ 代表社員  福島発電株式会社
  ウ 設立年月日 平成28年10月3日
  エ 社 員   福島発電(株)、東京電力ホールディングス(株)、(株)東邦銀行
  オ 目 的   ①送電線・変電所の設計、建設
          ②送電線・変電所の保守・維持、運営管理
          ③送電線・変電所の整備のための調査及び準備
          ④送電線・変電所の運営管理、連系に関するコンサルタント業務

② 葛尾村スマートコミュニティ事業への協力
 当社は、葛尾村が「かつらお再生戦略プラン」(平成26年6月)に明記している「エコ・コンパクトヴィレッジ」の具体化に向け、村が行おうとしている再生可能エネルギーとエネルギーマネジメントシステムを備えたスマートコミュニティの構築、エネルギーインフラの整備計画に協力してきた。
 村における「エコ・コンパクトヴィレッジ」の取組みを具体化し、「魅力と希望のある葛尾村」を目指すことを目的に、当社が共同申請者となり、スマートコミュニティ導入促進事業(東北スマコミ)に応募し、平成29年4月3日にマスタープラン作成の採択を得、現在は、送配電インフラやメガソーラー事業などについての検討を進めている。
 【当面の事業のスケジュール】
  平成29年4月3日 マスタープラン採択
  平成29年度    マスタープラン検討・策定、承認
  平成30~32年度 設備導入、スマコミ構築

③ 新たな太陽光発電事業に関する取り組み
 太陽光発電のFIT価格が下がる中にあっても、一定の事業性が見込めるメガソーラーの研究を進めるとともに、関係自治体、企業等と連携して検討を進めている。

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